シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
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 その週の金曜日。鳴海くんを呼んでうちでクリスマスパーティーをする事になった。

 二十五日と二十六日の二日間、私は有給を使ってお休みさせて貰い、午前中の内から彼を招き入れた。颯太は言わずもがな、喜んでいた。

 鳴海くんと颯太と私の三人で、部屋の飾り付けを楽しみ、買ってきたスポンジケーキに今年は生クリームでデコレーションをした。午後からは颯太の遊び相手を鳴海くん一人に任せて、母と二人で料理に勤しんだ。そして夕方、父が仕事から帰宅する。

「ああ、鳴海くん。もう来てたのか」

「はい、お邪魔してます」

 今晩は、と父に頭を下げる彼を見て、何となく距離が近くなってる? と感じた。

 そう言えば、と私は思い出す。プチ結婚式をする前に、その報告をしに行ったと彼から聞いたんだった。

 なので、鳴海くんが父に会うのはこれで三回目のはずだ。

 父が帰宅したら夕飯と同時にクリスマス会を始めるのがルールで、母は食卓に料理を並べていた。ご飯を食べてケーキを食べて、颯太はジュースを、私たち大人は少しだけお酒を飲んで、団欒とした雰囲気に包まれた。

 父から勧められたビールを上手く断れず、鳴海くんは時折眉をしかめながら飲んでいた。その表情につい笑ってしまう。
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