シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「今月の二十八日です」

 あと一週間ちょっとかぁ〜、と笑い、祥子さんは手前のメニューを開いた。

「性別、女の子だっけ?」

「はい。もうすぐ妹が出来るよって言ったら、颯太が喜んでて」

「え、そう言えば颯太くん、もう小学生だよね? 何年生?」

「四年生です。来月で十歳。もう、口も達者で凄く生意気ですよー?」

「へ〜ぇ、大きくなったもんだねー」

 私、カフェラテとホットサンドにしよ、と言い、メニューを渡された。

「でも最近凄くしっかりしてきて。時々私のお手伝いもしてくれるんです」

「お手伝い? 例えば?」

「食器洗いとか、布団の上げ下げとか……」

「えっ、男の子でしょ、凄いっ!」

「私がこんな体だから、色々と助けなきゃって思ってくれるみたいで」

「良い子だねぇ、颯太くん」

 近くで接客している店員さんを呼び、祥子さんはさっきのオーダーを伝え、私はオレンジジュースとシーザーサラダを頼んだ。

「沙耶ちゃん、それだけで足りる?」

「あ、いや。胃が圧迫されちゃって、一度に沢山は食べれないんです。食欲は有るんですけどね〜」

「……そっか。そう言えばそうだったかな?」

 祥子さんは首を傾げ、瞳を持ち上げる。

「今日りこちゃんは幼稚園ですか?」

 祥子さんの娘ちゃんだ。
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