シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「ぅえーっ!? 鳴海のママ若いなー?」

 そこで颯太が振り返り、ジトッとした目で見てくる。

 ーーうん、大体何を言いたいのかが分かる。

 少し進んだ所で「じゃあなー」と友達に手を振り、颯太は私が追い付くのを待った。

「もう。友達の前では話しかけないでって言ってるじゃん?」

「ふふっ、ごめんごめん」

「てか、なに? またママそんなに買い物したの?」

「え? うん。安売りしてたからついね。あ、颯ちゃんの好きな餃子も買ったよー?」

「ママ、ちゃん付けやめてってば」

「ハイハイ」

「……はぁっ。ったく、しょうがないなぁ」

 ん、と不貞腐れながらも、颯太が右手を出した。

「なに?」

「荷物貸して? おれが持つから」

「えー、大丈夫だよ。これぐらい」

「ジンくんにも重いもの持つなって言われてるじゃん? ほら、つべこべ言わずに貸せって」

 颯太が引かないので、ハイと任せる事にした。

「おも、てか普通に牛乳とか買ってるし。馬鹿じゃね?」

「ふふっ、颯ちゃんありがとう。やっぱり男の子だよね、頼りになるなぁっ」

「だからちゃん付けやめろって」

「ごめんごめん」

「ママ絶対悪いと思ってないし」

「そんな事ないよー」
< 391 / 430 >

この作品をシェア

pagetop