シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 前駆陣痛がまた起こるとしても、三十分後だし急げばそれまでにパジャマを着れる。そう思い、大きなお腹を抱えたままでバスルームに入った。

 シャワーで体を温めて、髪と全身を洗ってから脱衣所でバスタオルを巻いた時だ。

 急にパチュン、と嫌な音がし、サッと血の気が引いた。明らかにお湯とは違う、生温い液体が股の間からボタボタと滴り落ちて、一瞬で足元に濁った水たまりが出来る。

 ーーえ。これってもしかして。

「そっ、颯太ーっ!」

 裸のまま、焦って何度か颯太を呼ぶと、のんびりとした口調で歩いてくる。

「なに? もうママお風呂上がったの? ……って、なにこれ??」

「ごめん、颯太。テーブルの上にママの携帯置いてあるから取って来てくれる?」

「わ、分かった!」

 明らかに異質と感じ取った颯太は慌てて廊下を戻る。足元をまた覗き込むと、僅かに血みたいなものも混じっていた。

 ーー破水、だ。ヤバいな……。

 とりあえず、あまり大きく動かないように服を着ないと。生憎、近くに外出着を置いていないので、パジャマを着る事にした。

「ママっ、携帯!」

「ありがとう」

 股以外の水滴をバスタオルで拭き、ショーツに夜用のナプキンを着けてからパジャマに着替える。一呼吸置いてから産婦人科に電話を掛けた。

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