シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
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「……はぁ。地球爆発しないかなー……」
ポツンと漏らした呟きは、嫌になるほど澄み切った青空に溶けて消えた。
平和、平和、平和。
平和を絵に描いたような午後の日差し。俺はいつもの昼休みみたいに屋上で寝そべり、微睡んでいた。
グラウンドからは高校球児の爽やかな掛け声と、サッカー部のエースを応援する女子の黄色い声が響いている。
こんな何にも起こらない陽気な春の午後に、帰宅部の俺だけが取り残されている。
抜けるような真っ青の空を見つめる。遥か彼方、天空まで射抜く気持ちでジッと睨んだ。
宇宙の彼方からフッと沸いて出た隕石が突然この学校を目掛けて落ちて来るのを想像する。俺はこの屋上ごと木っ端微塵に砕け散り、恐らく影も形も残らずに消える。
うん、悪くない。
又は、地面の底にいつの間にか埋められていた宇宙船が動き出し、大地がバラバラと音を立てて崩壊するのでも良い。あっという間に宇宙人に侵略され、俺は秒で消される。
それも悪くない。
何にしろ、自分の存在が消える事を他力本願に想像してしまう俺は間違いなくヤバい奴だ。
周りからドン引きされそうな妄想癖に一旦蓋をして、とにかく麗かな日差しに瞼を閉じた。
今日も平和で何も起こらない。全くつまらない日常だ。
クソみたいな毎日に苛立ちと吐き気を覚えながらも、ダラダラと俺の時間は流れていく。
「じーんーくん!」