シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
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初対面はエレベーターの中だった。日頃からたびたびやってしまう駆け込み乗車の如く乗り込んで、彼女を見た。
見た瞬間、可愛いなと思った。俺と同い年ぐらいの彼女は小さな男の子と手を繋いでいた。
子供、だろうか? そんな若いのに??
とにかく、早くに結婚して子供を育てている、いわゆる勝ち組の女性だろう。パッと見、外見にも優れているしモテる人種に違いない。
普段なら学校のある火曜日、学校は創立記念日とやらで休みだった。俺は課題であるシャツワンピースを縫うため、洋裁店で生地を買った帰りだった。
「え……あれ?」
肩に掛けた鞄がグッと固定されて動かない。状況を把握して、しまった、と思う。エレベーターの中で親子に不思議そうな顔をされて、たちまち羞恥心が顔を出す。
全く俺という奴は、どこまで抜けているんだ。
その時だ。ガクン、と体が揺れて、何の予兆も無しにエレベーターが停まった。
不意に後ろ暗い気持ちに襲われた。もしや俺のせいかもしれない、と。
俺が扉に鞄を挟んだから……。
若いママである彼女は明らかに顔色を変え、不安そうだった。子供の事を心配しているのがひと目見て分かった。