シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「沙耶さん、バイバイ」
「あ……、うん」
たった一言しか言えなかったけれど、授業だから仕方ない。彼女とすれ違い、階段を駆け上がろうとしたところで、「ちょ、ちょっと鳴海くんっ」と沙耶さんに引き止められた。
「えっ?」
なに?
足を止めた俺に近付き、沙耶さんは俺の首元に手を伸ばした。襟足から何かが抜けて、背中がゾワッとなる。
「えぇっ、な、なに??」
「……鳴海くん、服のタグ付いたまま着てるよ?」
は……?
「え! 嘘っ!? やべっ!」
かっこわりーーーっ!!!
「ふふっ。朝からずっと気付かずに着てたんだね? 待ってて。今ハサミ持ってくるから」
沙耶さんはキュートな笑みを浮かべて、俺の背中からタグを切ってくれた。少し背伸びをする姿がたまらなく可愛い。
「じゃあね。授業頑張ってね?」
「……う、うん」
階段を駆け上がりながら、自然と頬が緩んだ。
顔が熱い。恥ずかしいのと、嬉しいのとがごちゃ混ぜだ。
沙耶さんに触れられたのが嬉しい。かっこ悪いけど、タグに気付いてくれたのが沙耶さんで嬉しい。
完全に浮かれていたが、ハタと冷静さが顔を出す。階段途中でまた足を止め、バクバクと鳴り響く心臓に手を当てた。
ーー「結婚できないなら、恋愛する意味無いですから」
「あ……、うん」
たった一言しか言えなかったけれど、授業だから仕方ない。彼女とすれ違い、階段を駆け上がろうとしたところで、「ちょ、ちょっと鳴海くんっ」と沙耶さんに引き止められた。
「えっ?」
なに?
足を止めた俺に近付き、沙耶さんは俺の首元に手を伸ばした。襟足から何かが抜けて、背中がゾワッとなる。
「えぇっ、な、なに??」
「……鳴海くん、服のタグ付いたまま着てるよ?」
は……?
「え! 嘘っ!? やべっ!」
かっこわりーーーっ!!!
「ふふっ。朝からずっと気付かずに着てたんだね? 待ってて。今ハサミ持ってくるから」
沙耶さんはキュートな笑みを浮かべて、俺の背中からタグを切ってくれた。少し背伸びをする姿がたまらなく可愛い。
「じゃあね。授業頑張ってね?」
「……う、うん」
階段を駆け上がりながら、自然と頬が緩んだ。
顔が熱い。恥ずかしいのと、嬉しいのとがごちゃ混ぜだ。
沙耶さんに触れられたのが嬉しい。かっこ悪いけど、タグに気付いてくれたのが沙耶さんで嬉しい。
完全に浮かれていたが、ハタと冷静さが顔を出す。階段途中でまた足を止め、バクバクと鳴り響く心臓に手を当てた。
ーー「結婚できないなら、恋愛する意味無いですから」