シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
助産師さんから分娩室への許可が降りると、一時間もしない内に沙耶さんは赤ん坊を産んだ。
「おめでとうございます! 午前零時二十二分、元気な女の子ですよー」
医師の声を聞いて、沙耶さんが荒い息を繰り返しながら「良かった」と呟いた。
沢山の血を見て、俺は途中足元がフラついたけれど、産まれたと思った瞬間は、若干、視界が滲んだ。
我が子は小さいながらも、か細い声で思い切り泣いていた。沙耶さんも泣いていた。その雰囲気に包まれて、やはり俺も少しだけ泣いた。
気付いた時には颯太は居なかった。お義母さんから着信が入っていて、掛け直すと連れて帰ってくれたとの事。
「颯太は先に寝かせておくから。仁くんもひと段落着いたら帰って来なさいね。会社にも連絡を入れないといけないだろうし、明日はバタバタするわよー?」
お義母さんは、ふふふと嬉しそうに笑っていた。
沙耶さんに付き添う事に必死だったせいか、実母に連絡を入れていない事にハタと気が付いた。夜中に掛けたにもかかわらず、母は電話口で泣きながら喜んでいた。
「立ち会ってくれてありがとう」
「……え」
不意に沙耶さんに言われて、後ろを振り返る。
「前の出産は……旦那さんって存在が無かったから、今回は凄く心強かった」
「え、そんな、俺。何にも出来なかったのに……」
「おめでとうございます! 午前零時二十二分、元気な女の子ですよー」
医師の声を聞いて、沙耶さんが荒い息を繰り返しながら「良かった」と呟いた。
沢山の血を見て、俺は途中足元がフラついたけれど、産まれたと思った瞬間は、若干、視界が滲んだ。
我が子は小さいながらも、か細い声で思い切り泣いていた。沙耶さんも泣いていた。その雰囲気に包まれて、やはり俺も少しだけ泣いた。
気付いた時には颯太は居なかった。お義母さんから着信が入っていて、掛け直すと連れて帰ってくれたとの事。
「颯太は先に寝かせておくから。仁くんもひと段落着いたら帰って来なさいね。会社にも連絡を入れないといけないだろうし、明日はバタバタするわよー?」
お義母さんは、ふふふと嬉しそうに笑っていた。
沙耶さんに付き添う事に必死だったせいか、実母に連絡を入れていない事にハタと気が付いた。夜中に掛けたにもかかわらず、母は電話口で泣きながら喜んでいた。
「立ち会ってくれてありがとう」
「……え」
不意に沙耶さんに言われて、後ろを振り返る。
「前の出産は……旦那さんって存在が無かったから、今回は凄く心強かった」
「え、そんな、俺。何にも出来なかったのに……」