シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「おれ、ママが帰ってきたら、ちゃんと宿題もするし、ママのお手伝いもやるからジンくん心配しなくていいよ」

「え」

「ジンくんも仕事大変なんでしょ?」

 確かに、沙耶さんの出産が有ったから三日程休みを貰ったし、帰りも出来るだけ早く帰らせて貰っているので、仕事量は溜まっている。先輩にもフォローして貰って何とか回している感じだ。

「ああ、そうだな。颯太と花音ちゃんのお父さんだから、これからも頑張って稼がないとな」

「うん」

 カレンダーの三日後の日付けには『ママとかのんちゃんが帰って来る!』と書いてあった。

 そして三日後。ようやくその日を迎えた。颯太は初めて見る小さな妹に、蘭々と目を輝かせていた。

 息をしているのかいないのか、花音ちゃんは相変わらず静かに眠っている。

 小さすぎる花音ちゃんにとって、我が家のベビーベッドは少し大き過ぎるなと感じた。

 暫くベッドの柵に張り付いていた颯太だが、隣りに並んだ沙耶さんに視線を移し、「抱っこしていい?」と尋ねた。

「うん、良いよ。お布団の上に座ったままで、そうっとね?」

 既に敷いておいた布団にあぐらをかいて座り、颯太が沙耶さんから小さな花音ちゃんを受け止めていた。右手はこう、と抱き方を指南され、颯太は慎重に抱っこする。

「わぁ〜っ、可愛いっ!」
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