シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「だから仕事に集中して大丈夫だよ。鳴海くんのその気持ちだけで充分」と。
そう言われたからと言って、ハイそうですか、と単純に流せないのが俺だ。
沙耶さんがトイレで席を外した時にも強く思った。
「ちょっとだけお願い」と言われて、花音ちゃんを抱っこするものの、娘は「ほぎゃあほぎゃあ」とグズリから大泣きし、テンパった。
「花音ちゃーんっ、どうしたのかな〜? ヨシヨシ、泣かないでね〜。もう少しでママ戻ってきますからね〜?」
そうやって自分なりに精一杯あやすけれど、花音ちゃんは泣き止むどころか声を大にしてママを呼び続ける。
程なくして沙耶さんが部屋に戻って来る。「ごめんね」と言って手を差し出されるので、そっと娘を抱き移した。
するとさっきまでのギャン泣きは何処へやら、花音ちゃんはピタリと泣き止んだ。
「凄い……」
まるで魔法みたいだ。
娘はママの腕の中こそが自分の居場所だと言わんばかりに、すっぽりと収まり、沙耶さんの顔をジイっと見ていた。
「さすがママだね」と言ってまじまじと彼女を見つめると、沙耶さんは眉を下げて穏やかに微笑む。
「母親の立場ってそういうものだからね」
立場、か……。
何か俺にしか出来ない役割と言うか、立ち位置について真剣に考え始めた。
そう言われたからと言って、ハイそうですか、と単純に流せないのが俺だ。
沙耶さんがトイレで席を外した時にも強く思った。
「ちょっとだけお願い」と言われて、花音ちゃんを抱っこするものの、娘は「ほぎゃあほぎゃあ」とグズリから大泣きし、テンパった。
「花音ちゃーんっ、どうしたのかな〜? ヨシヨシ、泣かないでね〜。もう少しでママ戻ってきますからね〜?」
そうやって自分なりに精一杯あやすけれど、花音ちゃんは泣き止むどころか声を大にしてママを呼び続ける。
程なくして沙耶さんが部屋に戻って来る。「ごめんね」と言って手を差し出されるので、そっと娘を抱き移した。
するとさっきまでのギャン泣きは何処へやら、花音ちゃんはピタリと泣き止んだ。
「凄い……」
まるで魔法みたいだ。
娘はママの腕の中こそが自分の居場所だと言わんばかりに、すっぽりと収まり、沙耶さんの顔をジイっと見ていた。
「さすがママだね」と言ってまじまじと彼女を見つめると、沙耶さんは眉を下げて穏やかに微笑む。
「母親の立場ってそういうものだからね」
立場、か……。
何か俺にしか出来ない役割と言うか、立ち位置について真剣に考え始めた。