シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
5.自覚した途端の衝撃
「俺、マジ沙耶ちゃんリスペクトっす!」
朝の購買部。やれやれと呆れながらレジに立っていると、来た途端入り浸った澤野くんが私を褒め称えた。
売れた商品のチェックをしながら、祥子さんがクスクス笑う。
「チャックってば本当に沙耶ちゃんが好きね〜」
「いやぁ、なんつーかもう女神っすから!」
ーー女神って。
「……澤野くん。私を女神のように敬ってくれるなら、そろそろ沙耶“ちゃん”じゃなくて、沙耶“さん”にしてくれる?」
これでもキミより五つも年上なのよ?
「え、ああ。仁みたいに?」
ーー鳴海、くん。
私は少しだけ口を噤んで、そうよ、と語気を強めた。
ーーやだな、昨日のアレ、また思い出しちゃった。
頭の中に、鳴海くんが愛梨ちゃんの手を引いて、学校を出て行く姿が浮かび上がる。
思い出すと胃が少し痛くなったような気がして、私はお腹を押さえた。
「あれ? 沙耶っち大丈夫? 顔色悪いよー?」
模造紙とケント紙を買いに来た別の男の子が、レジに来るなり私の顔を覗き込んだ。