シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あ、うん。大丈夫」

 言いながら、百三十円ね、と言ってお金を貰う。

「今朝ちょっと食べすぎちゃったなぁって思って」

「あははっ、そーなんだ?」

「でも、沙耶っちは細いから、もうちょっと太った方が良いんじゃん?」

「コラコラ、それ、セクハラだから」

 すかさず女の子が突っ込みを入れる。

 男の子二人に女の子一人のグループで、順番にレジを終わらせる。

「ってか、沙耶ちゃん大丈夫? 体調悪いの?」

 すぐそばにいる澤野くんにまで心配されてしまう。私は大丈夫だよ、と顔を上げて微笑んだ。

 ーーやだやだ。いい大人なのに。学生に心配されて、私ってば何やってるんだろ。

 私は、ハァ、と溜め息をついた。

 あれから鳴海くんがずっと頭の中に居座っている。昨夜、布団に入った時、朝の化粧時間、颯太を送ってからの出勤時間、気が付いたら鳴海くんと愛梨ちゃんの事を考えている私がいる。

 この嫌な感情が何かを、私は知っている。知っていて認めたくないと思ってる。
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