シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「か、関係って。特別には何も。ただの事務局の職員さんと購買部の従業員だよ? それ以外には無いし」

「本当? ご飯食べに行ったりとかはしてない?」

「え、うん。学校で顔合わせて挨拶したり、世間話する程度だよ? ……てか、何で?」

 どうしてそんな事を聞くのか不思議で、私は鳴海くんをジッと見た。

「あ、いや。沙耶さん、颯太くんの事考えて父親候補探してたりすんのかなーって思って。あの人、仕事出来そうだし、給料安定してそうだから……何となく気になって」

 ーーああ、そういう事か。

 私は目線を地面に落とし、軽く微笑んだ。

「ありがとう」

「え?」

「心配、してくれてるんだよね? 鳴海くん。
 でも大丈夫だよ? 颯太の事を思ったら父親を作ってあげた方がって気持ちが、前は強かったけど。この間鳴海くん言ってくれたじゃない? ママの私がいれば颯太は幸せなんだって。
 あの言葉、凄く嬉しかったの」

「そう、なんだ?」

 途中、十字路で鳴海くんが足を止めた。

 ーーどうしたんだろう?
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