シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「息子ちゃん、大丈夫?」
「あ、はい。今日は母が看てくれているので」
「……そっか」
開店時間を迎え、仕事に取り掛かる。
急に休んだせいか、学生の多くが「病気?」と心配してくれた。
さすがに子供が熱を出した、とも言えなくて適当に言って誤魔化した。
「……あ。沙耶さん、今日は大丈夫なんだ?」
「鳴海くん」
“颯太が”、大丈夫という意味だが、みんな私の体調の事だと勘違いし、気遣ってくれた。
いつものように、模造紙とトワールを買って行く鳴海くんから、千円ちょっとのお金を受け取る。
失恋したばかりだから、さすがに鳴海くんの顔がまともに見れない。
ーーお願い。もう私に構わないで。
心の声は届くはずも無く、怪訝に首を傾げる彼に「沙耶さん?」と話しかけられるが、私は次の子のレジに取り掛かり、自然と無視をする形になった。
出来るだけ早く忘れたい。
私はその日、溜め息ばかりの一日を過ごした。祥子さんは「息子ちゃん心配だよね」と温かい言葉をかけてくれる。それすらも申し訳ない。
お昼休みの接客を終え、祥子さんが売れた商品を補充するため、“西店”という場所に裏地や釦などを取りに行ってくれた。
私はその間、休憩室に置いた模造紙の束を広げ、一枚組みと三枚組みを作るため、丸めて輪ゴムをする作業に取り掛かった。
「あ、はい。今日は母が看てくれているので」
「……そっか」
開店時間を迎え、仕事に取り掛かる。
急に休んだせいか、学生の多くが「病気?」と心配してくれた。
さすがに子供が熱を出した、とも言えなくて適当に言って誤魔化した。
「……あ。沙耶さん、今日は大丈夫なんだ?」
「鳴海くん」
“颯太が”、大丈夫という意味だが、みんな私の体調の事だと勘違いし、気遣ってくれた。
いつものように、模造紙とトワールを買って行く鳴海くんから、千円ちょっとのお金を受け取る。
失恋したばかりだから、さすがに鳴海くんの顔がまともに見れない。
ーーお願い。もう私に構わないで。
心の声は届くはずも無く、怪訝に首を傾げる彼に「沙耶さん?」と話しかけられるが、私は次の子のレジに取り掛かり、自然と無視をする形になった。
出来るだけ早く忘れたい。
私はその日、溜め息ばかりの一日を過ごした。祥子さんは「息子ちゃん心配だよね」と温かい言葉をかけてくれる。それすらも申し訳ない。
お昼休みの接客を終え、祥子さんが売れた商品を補充するため、“西店”という場所に裏地や釦などを取りに行ってくれた。
私はその間、休憩室に置いた模造紙の束を広げ、一枚組みと三枚組みを作るため、丸めて輪ゴムをする作業に取り掛かった。