シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 ーー何で? 何で私……?

 鳴海くんの本命の人という情報に、どうやったら私が当てはまるの?

 座り込んだ私と視線を合わせて、彼も腰を落とす。

「返事は、出来れば沢山考えてから、して欲しい」

 そう言って、サイドで纏めた私の髪に触れ、チュッと頬に口付けされた。

 鳴海くんは私の反応を見て、口角を上げた。

「ふっ、可愛い。……じゃあね?」

 そのまま立ち上がり、休憩室を出て行く。

 階段を駆け上がる足音が聞こえ、頭が徐々に冷静さを取り戻す。

 ーーなに。今の。

 告白とプロポーズを一度に受けた。しかも好きな人から。

「ひゃああぁっ!」

 自覚した途端、ボッと顔から火を噴いた。

 ーーどうしよう。どうすれば良いの?

 ***
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