シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「なになに? もしかして昨日のアレ、思い出しちゃった?」

「べっ、別に、そんなんじゃ、」

「あははっ、俺の事考えてくれてるんだ?」

 ーーう。図星、です。

「あの、でも。ごめんね、私。鳴海くんと昔会った事とかまだ思い出せてなくて」

「ああ、うん。そうだろうね?」

 ーー? そうだろうね?

「多分、どう足掻いても自力じゃ思い出せないと思うよ?」

「え、そうなの?」

「うん」

 ーー思い出して欲しい訳じゃ、ないの?

「思い出さなくてもいいんだ。その分俺の事をずっと考えててくれれば」

「……うん。そっか」

「沙耶さん、俺ね。結構頑張ってたんだよ?」

「どういう事?」

「この前、一緒に電車乗って帰った事あったでしょ?」

「あ、うん」

 彼が駆け込み乗車をした時だ。

「あの時ね。実は沙耶さんが仕事上がるまで隠れて待ってたんだ」

「……はい?」

「確か。津島と飲み会とかの話してたよね?」

「うん。確かにしてた」

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