シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
 *

 学校に着いたら着いたで、鳴海くんの態度は普段と変わらず普通だった。

 昨日みたいに、無理やり迫って来たりもしないし、今朝みたいにからかったり気持ちをアピールする事も無い。本当に普通。だから、ちょっとだけ拍子抜けした。

 でも、学生の前で赤面する事も無いので心底それで良かったと思う。

 お昼を食べ、私は空になったお弁当箱を手に喫煙所兼、給湯室の扉を開けた。

 灰皿の前に置いたスツールに津島さんが座っていた。

「あ、お疲れ様です」

 軽く会釈をしてから、洗い物を始めると、「水嶋ちゃん」と急に話し掛けられた。

「旦那さんってどんな人?」

 ーーは? 旦那さん?

 彼を見て一瞬、表情が固まるが、あっ、とすぐに気が付いた。

 ーーそうだ。津島さんには子供がいるって言ったっきりで話してなかったから……私が結婚してると思ってるんだ。

「私、独身ですよ?」

「え? 子供……いるんだよね?」

「はい。息子がいますけど、実は結婚歴無しのシングルマザーなんです」

「……え?」

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