シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「あのね、前にここで煙草吸ってる時。屋島さんに言われたんだ。水嶋ちゃんは結婚してるから諦めた方が良いって」

「え?」

「若くに結婚して子供がいて、結婚指輪は貰ってないそうですよって言われて。ああ、そうなんだって正直落ち込んだよ」

 結婚? 指輪? 当然そんな話はした覚えがない。

「何ですかそれ」

「僕が聞きたいよ」

「私。全く結婚歴ないですよ? 出来なかったクチなので」

「……そうなんだ?」

「はい。二十歳の時に妊娠を告げたら、交際していた彼に逃げられて。それでも息子を産みたくて、シングルマザーになったんです」

 津島さんは長くなった煙草の灰を灰皿に落とし、そっか、と項垂れた。

「やっぱり。大事な事は直接本人から聞かないと駄目だね」

「……え」

「僕さ、水嶋ちゃんの事好きだったんだ。結婚してるって聞いたから無理やり諦めたのになぁ」

 ーーは。え、なにそれ。津島さんが、私を??
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