シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
7.少年時代の彼との出会い


 翌々日の購買部。

 今日のレジ担当は祥子さんだ。私は朝一の販売時間に、いつも通り売れた商品をチェックする作業に取り掛かっていた。

「おはよ〜、沙耶っち〜」

 買い物を済ませた愛梨ちゃんが、可愛らしい笑みを浮かべて近付いてくる。

「おはよう」

 バインダーに書いたメモから顔を上げて微笑むと、愛梨ちゃんの後ろに澤野くんが見えた。

 ーーもしかして、澤野くん……?

 他人の色恋に、ついニヤつきそうになって顔を引き締めた。

「沙耶っち、聞いて? あのね?」

 愛梨ちゃんは、はにかみながら今澤野くんと付き合っている事を私に教えてくれた。

「そうなんだ? 良かったね?」

「うん。何て言うか、愛梨、凄く愛されててね。そんなの全然知らなかったから、今凄く幸せなんだぁ」

「そっかぁ」

 言いながら、私も微笑ましい気持ちになった。前に澤野くんから相談を受けた時は、愛梨ちゃんの気持ちは自分には向かないという、彼の自信の無さが伝わっていただけに、本当に良かったなと思った。
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