シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
二人でそのまま店を出て、いつものように電車に乗った。
車両が走り出してからも、私は無言を貫いていた。好きだと返事をしたいけど、こんな電車の中でする話でもない。
無言で窓の外を見つめていたからか、鳴海くんもこの空気を察して、何も言わなかった。
最寄り駅の改札を出て、以前のように二人で駐輪場まで歩く。
「あの、沙耶さん……?」
「……うん?」
赤と黒のマウンテンバイクを出した鳴海くんが、痺れを切らして聞いてきた。
「俺。やっぱりフラれるんですよね?」
「え?」
「その……、駄目なら駄目ってハッキリ言ってくれて大丈夫です。無理矢理キスとかしといてなんだけど、沙耶さんが学生はちょっとなって思うなら……働いてからもう一度告白しますから」
鳴海くんの瞳が不安定に揺れていた。私が何も言わずにここまで帰って来てしまったから、もうマイナスな結果しか考えられないのだろう。
私は自転車を押し、ううん、と首を振った。
「向こうにね、公園があるの」
「え?」
「時々颯太を遊ばせるのに連れて行くんだけど。そこで座って話をしよう? ちょっと寒いけど」
「……あ。うん」
いつもと違う方角に自転車のタイヤを向け、彼と公園までの道のりを無言で歩いた。
車両が走り出してからも、私は無言を貫いていた。好きだと返事をしたいけど、こんな電車の中でする話でもない。
無言で窓の外を見つめていたからか、鳴海くんもこの空気を察して、何も言わなかった。
最寄り駅の改札を出て、以前のように二人で駐輪場まで歩く。
「あの、沙耶さん……?」
「……うん?」
赤と黒のマウンテンバイクを出した鳴海くんが、痺れを切らして聞いてきた。
「俺。やっぱりフラれるんですよね?」
「え?」
「その……、駄目なら駄目ってハッキリ言ってくれて大丈夫です。無理矢理キスとかしといてなんだけど、沙耶さんが学生はちょっとなって思うなら……働いてからもう一度告白しますから」
鳴海くんの瞳が不安定に揺れていた。私が何も言わずにここまで帰って来てしまったから、もうマイナスな結果しか考えられないのだろう。
私は自転車を押し、ううん、と首を振った。
「向こうにね、公園があるの」
「え?」
「時々颯太を遊ばせるのに連れて行くんだけど。そこで座って話をしよう? ちょっと寒いけど」
「……あ。うん」
いつもと違う方角に自転車のタイヤを向け、彼と公園までの道のりを無言で歩いた。