シングルマザーの私が学生と恋♡するんですか?
「なんて言うか、凄くあったかい」

 鳴海くんの手に幾らか力が込もる。

「うん、そうだね。寒かったもんね?」

「……うーん。そう言う事が言いたいんじゃないよ」

「え?」

「好きな人とくっ付けるって。幸せで心があったかくなる。俺、真夏でも、沙耶さんの事抱き締めるよ」

「……ん、そっか。ありがとう」

 鳴海くんの心臓の音と、深い呼吸の音が私の体に伝わってくる。彼の体温が心地良くて、私も吐息を漏らした。

 愛情深く育ったんだなぁ、とふと思った。鳴海くんの言葉の一つ一つが嬉しい。思いやりと愛情を感じる。

 ーーやっぱり好きだなぁ。大好きだ。

「あの、沙耶さん」

「なぁに?」

「キス、しても良い?」

ーーえ!

 心地良い甘さに癒されていたのに、また頬がカッと熱くなった。

「だっ、だから、聞かないでってば!」

 ーー恥ずかしいっ。

「じゃあ、する。いっぱいするっ」

 そう言うと、鳴海くんは私から体を離し、左手で私の頬を包み込んだ。

 ーーえっ、あ……!

 一気に鳴海くんの顔が近くなるので、慌てて目を瞑ると、唇に彼のそれが重なった。触れて直ぐは冷たいと感じた。

 けれども、何度となくキスを繰り返されて、触れている所が熱を帯びてくる。
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