女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
二人の距離感
「今日こそ一緒に寝ます」
啖呵を切り、睨みつけるチビ。
その真っ直ぐな眼差しから、辟易した思いで目を逸らす。
「無理だって、何度も言ってるだろ」
男性恐怖症、だったはずの遥(はるか)は、予備知識がないせいなのか、幾度となく男である晶(あきら)と一緒に寝たいと訴える。
んっとに、こいつの頭の中はどういう思考回路でできてんだよ。
心の中で悪態はつくものの、思考回路がおかしいでは済まされない認識の違いを、今まで嫌というほど目の当たりにしていた。
女嫌いの晶と、男性恐怖症だった遥。
相容れない関係に見えた2人の距離は近づき、互いに気持ちを伝え合った。
『そのお陰』というよりも、『そのせいで』怖いもの無しになった遥はタチが悪かった。
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