女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

「少しの間、別々で寝た方がいいか」

 なにかに怯えている遥に提案すると、遥は目を見開いて、それから「わかりました」と答えた。

 作業長に手を触れられたのが、時間差で堪えたのかもしれない。
 それなのに、俺はキスをしたりして。
 遥を怖がらせていたのか。

 思い違いを知る由もなく、「今日はどうする。湯たんぽがないと、寒いんだろ」と、正直どうでもいい話題を振る。

「寒いと眠れないので、今日は」

「ああ、そうか。わかった」

 湯たんぽに縋り付いて、言い訳にして、一緒に眠ろうとする自分にほとほと呆れた。
 遥も、そして、晶も。
< 107 / 160 >

この作品をシェア

pagetop