女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
二人の関係は
「作業長は、もう平気ですから」と、言われ、送り迎えは二日で終了となった。
休み時間にインターネットを眺めながら、ため息を吐く。
「なんだ。遥ちゃんと喧嘩したんだろ」
直樹にすぐさま見破られ、ますますため息が深くなる。
「喧嘩なら、まだ手の打ちようがあるんだがな」
「ハハ。アキが女の悩みを抱えるようになるとはねえ」
「うるせえ」
気持ちを伝え合って、いつも側にいて。
つい最近までの、先に進まない焦ったい関係が幸せだったんだなあと懐かしく思う。
「事務員の件、進めていいか?」
「あ、ああ。まあ、な。直樹に任せるよ」
「やる気ねえなあ」
苦笑する直樹に、昨日の事件を笑い話として伝える。
「お前の悪戯」
「悪戯?」
「コンビニの、寄越しただろ。箱」
「ああ。もしかして」
期待に満ちた声を聞き、視線は下を向く。
「コートのポケットに、入れっぱなしで」