女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

「続き、なに。スマホ、あっちに置いてきた」

「いいですよ。もう」

「よくないだろ」

 遥の頭をかき回して、「ちょっと、取ってくるから」と、体を離した。

 遥の寝室に戻り、同じベッドに入る。
 二人で画面を見ながら、遥のメッセージをもう一度、確認する。

『湯たんぽ、買いました』

 開かずに、メッセージ受信画面に表示される一文だけしか読まなかったのだと、今さら気付く。

 開いてみると、続きがあった。

『お布団、温めておくので、早く帰ってきてくださいね』

「うわ」

「なんですか。その感嘆詞」

 緩みそうになる頬を、なんとか正し、憎まれ口をたたく。

「一緒に、寝ないって言ったよな」

「だから、帰っても、寝室に来てくれないのだと」

 頼りなく揺れる言葉を聞き、愛おしくて、思わず抱きしめる。

「深読みし過ぎだろ」

「だって」
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