女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
どこかおぼつかない動作でベッドに横になって並ぶ。
今日は金曜で、二人の仲を隔たる問題も今はない。
「あの、足を」
「ん?」
「湯たんぽ忘れてしまって」
気もそぞろだったのは、お互い様だったようだ。
「一緒に眠れる時は必要ないだろ」
そう言いながら脚を絡ませる。
近づいた体は、自然と遥の頭に口付けを落とした。
シャンプーの香りがほのかにして、胸を疼かせる。
「やっぱり俺は、こっちのハルの方がいい」
「私はアキに無理してほしくないです」
「いや、いいよ。これからこっちのハルは俺だけが知ってれば」
そう思うだけで自尊心がくすぐられる。
「でも今の仕事を続けるのなら、職場で化粧はできなくて」
「ああ。そうか。そうだったな。こんな時まで格好つかないな」
髪にくしゃりと手を入れると遥と目が合って、くすりと笑われた。
晶もなんだかおかしくなって、二人でクスクス笑い合う。