女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

「傷つくから」

 唇をそっと指の腹で撫でてても、ふるふると首を横に振る遥に甘やかすようなキスをする。
 頑なだった唇は次第に柔らかくなり、晶のキスを受け入れた。

 先に進み遥が体を固くするたびに、晶は何度でもキスをして解きほぐし、とろけさせた。

 触れてはキスをして、与えられる甘い刺激に遥は目を潤ませた。

 次第に怖くなると、遥からキスを求めて晶に縋り付くようになり、そのかわいいさまに胸が締め付けられる。

 何度もキスをして、肌を重ねていく。
 誰も触れ得なかった場所までたどりつくと、晶は顔を歪めた。

 その唇に震える指先が触れ、ハッとする。
 誘われるままキスをして、深く息を吐いた。

「つらく、ないか?」

 晶の方がつらそうなのに、声をかけられる余裕がない。
 かろうじて首を力なく横に振ると、晶は今一度深く息を吐き、遥を真っ直ぐに見つめた。

「愛してる。遥」

 返事をすることは叶わなくて、晶にしがみつく。
 ベッドに深く体を沈ませ、重なり合った。
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