女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

 晶は、服の端を小さく引っ張られ、ドキリとする。

「好きって言ったくせに」

 上目遣いで言われ、ギギギッと顔を背けた。

 150センチあるかないかの遥。
 見た目も童顔で、下手したら小学生に間違えられる外見。

 それなのに今、そいつの眼差しに惑わされそうになっている。

「それはそれ。これはこれ、だ」

「だから大人は狡いんです」

 ぼそりと呟かれた台詞に、晶は鼻で笑う。

 晶の背は高く183センチの長身で、言うなと言われているのに、遥がつい「きれい」と言ってしまうほど、端正な顔立ちをしていた。

 所作も美しく品があるのに、口は悪く無愛想なのが美しさを台無しにしていた。

「フン。自分がクソガキだと認めたな」

 純粋な眼差しが見開かれ、不満が色濃く映る。

「それじゃアキは幼女趣味なんですね」

「ッ。馬鹿言え。人を犯罪者みたいに」

「だって」
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