女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
胸に抱いている遥の髪に手を差し入れて、もう一度、頭にキスをする。
「もう! また!」
遥は晶のシャツを両手でつかみ、顔を押し付けて、足をバタバタさせている。
ガキくさい仕草に、笑みがこぼれた。
「こういう雰囲気が苦手なのか? ハルも前に、俺に触れたいって言ったろ」
シャツをつかんでいる遥の手に、晶は自らの手で覆い、導くように自分の頬に添えた。
押し付けていた顔を晶に向けた遥に、晶はそっと唇を重ねる。
「だから、ずるい、です」
「ハルも、したらいい」
少し顔を横に向け、頬に添えている遥の指先に唇を寄せる。
「ア、キは、動くの禁止!」
切羽詰まった声を出した遥に、吹き出しそうになった晶の唇は、遥が重ねた唇によって塞がれた。
もたらされた柔らかな感触に胸が疼き、離れていこうとする遥の後頭部を支え、再びキスをする。