女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

 自分の奥底にあった欲求に抗えず、何度も重ねていると、次第に遥から吐息が漏れた。
 その息遣いに、ぞくりと体が反応する。

 弱々しい力で、精一杯に晶を押し除けた遥が、力ない声で訴えた。

「背中がぞわぞわして」

「嫌?」

 自分ではないような甘ったるい声が、遥に問いかける。

「俺も、落ち着かない気持ちにはなるが、やめる方が嫌だ」

 ゆっくりと顔を近づけ、再び遥の唇に触れる。
 自分を見失いそうになる、すんでのところで体を離した。

 だから、一緒に寝るのを避けていたのに、俺はいつからこんな。

 理性ギリギリの淵で、遥のぼやいく声を聞いた。

「青い、顔は、なんだったんですか」

 遥のこぼした言葉に、嫌な映像がちらつきそうになった。

「あんなのと、俺たちは違う、だろ」

 そう理解したはずなのに、体の熱が引いて指先が冷たくなっていく。
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