女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「安心します。私も多少弱くたっていいんだって」
「ハハ。そうか」
晶が嫌だった女のような部分に、遥は救われて、隠しておきたい心の傷さえも、遥には自分を許す理由になる。
皮肉だなと思う反面、だからこそお互いに惹かれたのは必然だったのだと、恥ずかしくなるような思いが浮かぶ。
「ほら。食べろよ。このままじゃ、チビのままだ」
「だから、アキがこっちにいたら食べられません」
半分ほど、かじったサンドイッチ。
それを横目に、晶は立ち上がった。
「コーヒーでも飲んでいよう」
既に食べ終わっている晶は、遥の食事に付き合うために理由をつける。
「コーヒーは、私が」
「いいって。ハルのは、午後から淹れてもらう」
目を細めて言う晶に、遥は浮かせた腰を下ろし、サンドイッチに手をつけた。