女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
遥が目を開けると、晶はノートパソコンをリビングに持ってきて、なにやら調べ物をしているようだった。
晶につられて眠くなったはずが、遥の方が長時間眠ってしまったみたいだ。
どういう結果で、この配置なのか。
パソコンに向かう晶に膝枕してもらう形で、ソファに丸まって横になっていた。
カタカタとキーをたたく音と、温かいぬくもりを感じて再び眠ってしまった。
「おい。ハル。いい加減、起きろ。脚の感覚が消滅してる」
肩を揺らされ、目を開けると眼鏡越しの晶の瞳と目が合う。
「あれ、アキ。眼鏡。ブルーライト?」
寝ぼけた発言は、支離滅裂だ。
「ああ。仕事中はかけないようにしていたが、やはり目が疲れるから。家ならいいかと思ってな」
パソコンに向かうと、漏れなくブルーライトを浴びて、目を疲れさせる。
「お仕事中は、邪魔そうですよね」
「まあ、な。仕事中の眼鏡には、若干のトラウマがあるだけで」
遥はどういうトラウマだろうかと思ったけれど、今日はもうその手の話はしたくなかった。