女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「俺も断ろうと思ったんだが、どうしても急ぎでお願いしたいって。あの人が」
「は」
どうして、あの人が。
胸騒ぎがするものの、「わかった」と電話を切った。
キッチンに戻ると、先に下準備をしていた遥が顔を上げた。
「直樹さん、大丈夫でした?」
「ああ、まあな。グラタン、検索しよう」
そこからは、戯れ合いつつも遥とグラタンを作った。
グラタンを焼いている間に互いに入浴を済ませ、ダイニングに着いた。
焼き立てを前に、遥の目が輝く。
「すごくおいしそうにできましたね」
「ああ、自画自賛だがな」
「早く食べましょう」
遥は手を合わせ、晶が合わせるのを待っている。
もう慣れてしまった一連の行動に、晶も倣った。
「いただきます」
「いただきます」