女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

 ふうふうと、懸命にグラタンに息を吹きかける遥に、目尻を下げる。

「おいしい。ソースのとろみもバッチリですね」

「ああ。思いの外、上手くできてる」

「パスタグラタンもいいですね」

 マカロニは無かったため、パスタを柔らかめに茹で代わりにしたのだ。
 濃厚なベシャメルソースがパスタに絡み、溶けたチーズとも合わさって、食べ応えもある。

「食後は、コーヒーじゃない方がいいですよね」

「ああ。昼に随分寝てたから、飲むと夜寝れなくなるだろ」

 グラスに注いだルイボスティーを飲みながら、食べ終わった遥を盗み見る。
 腹を据え、明日の予定を話さなければと逡巡していると、遥が先に口を開いた。
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