女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「ハハッ。やっぱり小動物」
晶はフローリングからベッドの方に座り直すと、遥に優しく問いかけた。
「明日、一緒に来るか?」
「え」
「隣に座ってればいいだろ」
冗談で言っているように見えない晶に、遥の方が慌てて断った。
「それは、ちょっと」
「まあ、そうだよな」
晶は、なにかを考えてから、「ちょっと待ってろ」と、遥の頭をかき回してから部屋を出て行った。
程なくして、戻ってきた晶の手にはスマホ。
「うわ。そうか」
と、なにやら呟いて、頭をかいている。
「あの、どうしたんですか」
「いや、うん。まあ、ものは試しか」
スマホを置き、晶は自身のシャツのボタンに手をかけた。
「えっ。アキ、なにを」
喉仏の下の綺麗な鎖骨が露わになり、思わず縫い付けられた視線を外す。
すると晶に手を引かれ、その露わになった鎖骨から胸辺りに触れた。
「キスマーク。付けられるか」
突然の申し出に、頭には疑問符が浮かぶ。
「口紅、持ってませんけど」
「やっぱり、そういう認識だよな。俺も付け方までは、知らなかったが」