女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
そう言って、晶は遥のパジャマの襟ぐりに指をかけた。
それを、少しだけ下げた部分に顔を近づけ、鎖骨と胸の間の危ういところに口付けた。
チリチリとした熱を感じて、声が漏れ、晶の腕にしがみつく。
「図らずとも聞けたな」
意地悪な言葉の後に、ペロリとその部分を舐められ「ひゃっ」と悲鳴を上げた。
「残念。さっきの声は、たまたまか」
わざとらしい言葉運びに不平を漏らす。
「こういう時のアキは意地悪で嫌いです」
「普段、優しくした覚えもないけどな」
頭にポンポンと手を置いて、「次はハルの番」と、遥を促した。
「あの、状況がさっぱり」
「ああ。そうだったな。見てみるか?」
再びスマホを手にした晶はなにやら操作をして、遥の前に差し出した。
そこには自分の顔が映る。
「カメラをこっちに向けたから。これで鏡代わりにして見えるだろ。さっきの、自分で見てみろ」
言われて服を少しだけ引っ張り、晶にキスされた箇所を確認してみた。
薄ら赤くなっている肌を見て、小首を傾げる。