女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

 さて、どうするか。

 こんなもの持って帰って、遥に見つかりでもしたら。

 ベッドの下に隠すのか?
 部屋は、自由に出入りしているのに?

 そこまで考えて、失笑を漏らした。
 中学生でもあるまいし。

 馬鹿馬鹿しくなって、コートのポケットにねじ込んだ。

 マンションに帰ると、遥はまだ戻っていなかった。
 暖房をかけ、コートとジャケットを脱ぐ。

 前の時みたいだと懐かしみながら、寒い日にぴったりの煮込みハンバーグを作ろうと、袖を捲った。

 玄関の開く音がして、そちらに目を向ける。

「遅かったな。楽しめたか」

「ただいま、戻りました」

 たどたどしい受け答えに、目を細めたその目を、見開いて絶句した。
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