不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下


はっと目を覚ませば、忘れたくても忘れられない天井が目に入った。




……どれくらい眠ったんだろ…。



喉はカラカラで体はずっしりと重く、起き上がれるのもしんどい。



きっと私はとんでもない期間眠っていたんだろう。




それもそうか…
あれだけの人数を触れてもいないのに治癒したんだから……



辺りを見渡せば、鎖で繋がれた手足が目に入った。


そして自分が今、力を使うことが唯一許される部屋であり、親方様の会える部屋……"謁見の間"にいることに気づくにはそう時間はかからなかった。


てっきり地下牢にでも入れられてるかと思った…。




力を使い過ぎると眠りから目覚めなくなると聞いたことがある。

できれば私も、そうでありたかった。


そう思わざる得ない場所に、私はいる。


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