不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
すると、近寄って来た吉田が私の頭を鷲掴み、棺にダン!と押さえつけた。
『ぐ…っ!』
「もう親方様の身体は保たないんだ。お前の覚醒を待つのはやめた。ほら、やれ」
『なにを…、死んだ人生き返らせるなんて今の私には無理よ!』
いくら吉田に強要されようと、覚醒してない私が死者を生き返らせる力なんてあるわけがない。
押さえつけられたまま、ざまぁみろと嘲笑ってやった。
「前までのお前なら怯えて震えて、黙って言うこと聞くと思ったんだけどなぁ?」
上から見下ろしてくる吉田に負けじと私も睨みつける。
「お前のあの絶望した目が好きだったのに」
『……っ!』
更にぐいっと頭を棺に押さえ込まれた。