不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下


「この状況で何言ってんだか…」


呆れた様子の吉田は、パッと私の頭から手を離した。



「俺がなにも準備してないとでも思ったか?」


そう言いながら1歩、更に1歩と私から距離を置く吉田に、嫌な予感がする。



パァァアと地面が光り出す。


……何かまずいことが起こる。

逃げなきゃ!!





そう思ったが、遅かった。


突如、浮かび上がってきた魔法陣のような何かに身体が動かなくなる。




『な、なに、これ……!?』


そして、全身の血が沸騰するかのように身体が熱くなり、次第にキリキリと心臓が痛くなってくる。




『っはぁ…くっ…はぁ、はぁ…!』


い、息がしづらい…

暑い……

苦しい……





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