不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
『ぁ、アカ、リ……』
魔法陣の光と、涙で視界が霞む。
けど、声と、ホッとするような安心感に、そこにいるのはアカリだと、確かに分かった。
「俺の初恋はまだ続いてんだよ、こんなとこで終わらせてたまるか!」
アカリが声を上げるのも、いつもは無表情なのにこんな必死な顔をしているのも、私のせいだと思うと嬉しく思ってしまう。
そして、アカリが魔法陣の光に触れると、それは弾けるように消えていく。
同時に呼吸が楽になるのを感じた私は、驚いて側で立つアカリを見上げた。
『な、なんで…?』
「俺、なんか知んねーけど、無効化の能力者らしい」
『はっ?』
驚く私を他所に、アカリは「そんなことより、」と言葉を続けた。