不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
俺は今……、
この明るい世界へと逃げたリンを暗闇に連れて行こうとしている。
「迷ってるの?って、迷ったところでもう遅いけどね」
立ち止まる俺にアヤトくんはもっともな事を言う。
そう。
立ち止まったところでもう遅い。
ここまで来てしまったのだから。
いや、もはや能力者として産まれてきた時点でダメだったんだ…。
長く続く階段は果てしない。
再度足を進めて行けば、一筋の光が見える。
今度は明るく広い、一直線の道だ。
「あ〜本当この道なっがいな〜。カケルくん飛べないの?」
ダルそうに歩くアヤトくんに、俺も同感だが、