不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
「もうここは敷地内だからもう力使えないの!」
この大樹が神木か何かで、俺たちの力を吸収してるらしいから力を使えないだけで、
俺だってリンを運びながらこんな長い道キツいし、飛べるもんならもう既に飛んでるわ!
やっと見えてきたドアの横の装置に手のひらをかざせば指紋が認証され、自動でドアが開く。
入ればそこは、研究所本部____________。
ざわざわと白衣を着た大人達が行き交うここで、俺たちは過ごしている。
「カケル!アヤト!」
俺たちを見つけるや否や、駆け寄ってくるおっさんはここの所長・吉田さん。
殆ど番号で呼ばれる俺たちに対して、唯一しっかり名前で呼んでくれる人だ。