不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下


「……何があった?」


吉田さんの目線は俺の腕の中で眠るリン。




「非接触者に力を使ったんだ…、それもかなりの人数の。たぶん1ヶ月は起きないと思う」



そう説明しつつ、俺はリンを吉田さんに託す。



「あぁ、でも無事で何よりだ。お前達もご苦労!今日もう自室に戻りなさい。検査は明日にしよう」





「げっ!」


検査と聞き、思わず声が出てしまった。

外の世界に行って、戻る度に行う検査は長ったらしくてとにかく嫌いだ。



「嫌そうな顔するな!カケルは覚醒控えてるから絶対だ!」


そう言う吉田さんはきっと俺の身体を気にしてくれているのであろう。



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