不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
#.11 背信




勢い良く走り出した俺が向かったのは、



「吉田さん!!」


「おぉ、カケルどうした?」


沢山の書類を手に持って廊下を歩いていた吉田さんに、俺は詰め寄った。



「どうしたもこうしたも!!なんだよあれ!!」



「あれってなんだ?」



「リンの事だよ!!」



そう言えば、ピクリと吉田さんの顔色が少し変わった気がした。



「あれはしょうがないことだ……」



しょうがない…?

そんな事ですまされるのか?


確かにリンはここを無駄で飛び出した。
けど、それってあんな罪人扱いされる程のことなのか?
元は俺たちだって外の世界で生活してたのに?

望んじゃいけないことだったのか?



俺にはもう何が正解なのかがわからねぇっ…!



< 27 / 132 >

この作品をシェア

pagetop