不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
それでも、
「あいつは自分の意思で戻ったんだ!!」
「……カケル、一度失った信用を取り戻すのは大変なことなんだ。わかるだろ?」
俯く俺の肩をポンと叩いてくる吉田さんの手が、今は煩わしくてしょうがない。
俺たち能力者の事を1番に考えてくれるのは、この人だと思ってたのに…!!
「……もういい!おっさんに言っても無駄だった」
「おい、カケル!」
吉田さんは無視して、俺は元来た道をズンズンと歩く。
吉田さんがあれなら、ここの研究員に何言っても無駄だ。
門番から鍵奪って俺がリンを出せばいい!
それが1番早い!