不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
廊下を歩いていれば、
「きゃっ…」
と、目の前で10歳くらいの少女が転んでいるのが目に入った。
あれは………
「ナギ、大丈夫か?」
「その声は、カケルくん…?」
声をかけ、振り向いた少女の目には包帯が巻かれている。
「リンちゃんのお迎えから帰ってきたんだね」
「あぁ…てか、お前1人で何してんだよ、危ないだろ」
この研究所、4人目の能力者のナギはわずか10歳にもかかわらず、力の副作用で視力を失ってしまっている。
目の見えないナギが1人で行動してるのは珍しい。
「リンちゃんに会いに行きたいのに会わせてくれないから、1人で出てきちゃった。ねぇ、リンちゃんはどこ?」