不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
急いで裏に向かえば、
「なんだよ…これ…」
嫌な予感は的中した。
アカリさん、ツバサさん、ハルキさんが辛うじて立っているがどこか苦しそうで、後のみんなは膝をついて頭を押さえている。
思わず、呆然と立ち尽くす。
負けたのか…?
翔子は無傷で助けられたはずだよな…?
俺らは狼牙なんかに負けるような族じゃねぇだろ…?
「一体何があったんっスかっ!!!」
一緒に巡回組の援護に行ったタカヒロ達が俺を追い越し、みんなに駆け寄る。
そしてみんなは口々に言う。
「あ、あれ?お、覚えてる…」
「記憶消えてねぇ……」
「やっぱ嘘なんじゃ…?」