不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
「ツバサ、よせ…!」
アカリさんに掴みかかるツバサを止めるのはハルキさんで、
他の全員も誰一人、口を開こうとしない。
俺たち合流組はもう何がなんだかわからない。
「アカリ…俺たち混乱してるんだ。頼むから話してくれ…」
ハルキさんの声は切実なものだった。
「……あぁ、全部話す」
「話は…倉庫で、でいいな…?」
「あぁ」
その声に、ぞろぞろと帰路に向かうが、ただただ全員が無言で、お葬式状態。
この場にいない、リンに何かあったのだと俺たちは思っていたが、帰るなり倉庫で聞かされた話はとんでも無いものだった。