不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
見せられた身体は確かに傷一つない。
けど、信じたくとも信じられない自分がいる…。
そんな俺たちを他所にアカリさんの話は進む。
普段賑やかな倉庫は静寂で、誰もがアカリさんの話を逃すまいとしていた。
「俺がリンに初めて会ったのは12年前だ。まだガキだった頃に俺も傷を治してもらった。が、ある日を境に近所の連中全員がリンの事だけ忘れてやがった」
それは皆予想ができた。
前にアカリさんが言っていた、記憶操作が行われたのだと_________。